これから軽貨物の仕事を始めようと思うのですが、黒ナンバーの申請とか難しそうだし、どうすればいいのかわかりません…。
こんなお悩みを解決します。
本記事の内容
●黒ナンバーとは何か
●黒ナンバー取得のメリット・デメリット
●黒ナンバーの取得方法
本記事の信頼性
この記事を書いているボクは、約20年にわたるサラリーマン生活にピリオドをうち、現在はフリーランス軽貨物ドライバーとして活動しています。
前職の会社に在職中から、休日・すきま時間を使い副業で軽貨物の仕事をスタートさせていました。
PickGO(ピックゴー)やハコベルカーゴなどのスポット配送案件に始まり、複数業者での宅配の仕事を2年ほど続けております。
この記事は、ボク自身が中古の軽バンを購入し、実際に黒ナンバーを自分で取得した経験をもとに書いています。
※ねこえもんの詳しいプロフィールは…
今回は、これから黒ナンバーを取得し、軽貨物配送の仕事を始めようと考えているあなたに
●黒ナンバーを取得する前に知っておいて頂きたいこと
●黒ナンバーの取得までの具体的な手順について
を分かりやすく解説しています。
黒ナンバーの取得について、登録手続きを代行してくれる業者もあるようですが、それだけで数万円の費用がかかるそうです。
これから事業を始めようとしている時に、いきなりの出費は痛いですよね…。
黒ナンバーの取得は、以降で説明する手順で行えば、そう難しくはありませんし、費用もナンバープレート代だけで済んじゃいます。
ですので、黒ナンバーは自分で申請し、無駄な費用を抑えることを強くおすすめします!
この記事を読み終える頃には、あなたもきっと軽貨物ドライバーとしての第一歩を踏み出していることでしょう。
それでは、また記事の最後にお待ちしています。
黒ナンバーについての基礎知識、メリットや注意点をしっかりと理解した上で、実際の申請手続きを行ってくださいね。
黒ナンバーって何?
黒ナンバーの定義
黒ナンバーとは、軽自動車を対象にした事業用のナンバーで、軽貨物自動車を使用して貨物の輸送を行う運送業者(個人/法人)が取得可能です。
正式には「貨物軽自動車運送事業」といいます。
【貨物自動車運送事業法 第2条】
他人の需要に応じ、有償で、三輪以上の軽自動車および二輪の自動車を使用して貨物を運送する事業
簡単に言えば、軽貨物自動車または125CC以上のバイクで、運賃をもらって貨物を運ぶ事業ということですね。
黒ナンバーに使用できる車種
黒ナンバーに使用できる車種については、明確な要件があるというわけではなく、単純に車検証上の用途が「貨物」となっている軽自動車であれば黒ナンバーの登録が可能です。
黒ナンバーの車種としては、ハイゼットカーゴ(ダイハツ)、エヴリィワゴン(スズキ)、Nバン(ホンダ)などが人気です。
念のため、車を購入の際には、将来的に事業用として使用したいことを先方に伝えておきましょう。
黒ナンバー取得の要件
黒ナンバー取得の要件は、大きく分けて次の6つになります。
①営業所・休憩・睡眠施設についての要件
②車庫についての要件
③車両についての要件
④適切な運送約款(運賃など)の設定
⑤適切な運行管理体制の整備
⑥損害賠償能力
なんか、ややこしい単語がたくせん出てきて、とっつきにくそうではありますが、ぜんぜん難しくありません。
営業所や車庫は、自宅でも全然問題ないです(もちろん賃貸でも可)。
個人でスタートするのであれば、「自分ひとりだけ」ですので、管理体制もくそもありません。笑
特に立ち入り審査があるわけでもないので、書面上さえ上記の要件を満たしておればOKですよ。
以降で詳細は説明していきますが、黒ナンバーの取得は、ハードルはとても低く、誰でも簡単に取得できるので安心ください。
黒ナンバー取得のメリット・デメリット
『黒ナンバー=軽貨物配送の仕事で使われる車』ということで、自家用に使用している車とは、税金や保険料などで違いがあります。
黒ナンバー取得申請の前に、しっかりとおさえておきましょう。
黒ナンバー取得のメリット
自家用車にくらべ、自動車税や重量税が安くなるのがメリットになります。
自家用の軽自動車(黄色ナンバー)だと自動車税は5,000円、重量税は6,66円ですが、黒ナンバーの場合、自動車税は3,800円、重量税は5,200円となります。
※どちらも重量税は新規届から13年経過していない車の場合の金額です。
黒ナンバー取得のデメリット
黒ナンバーの車両は、事業用に使用しますので、当然事故の確率が高くなります。
よって、おのずと自動車保険料(任意保険)は自家用にくらべ高くなります。
しかも、これまでの自家用車の無事故割引の等級は白紙になり、またいちからのスタートになるので、特に初年度の保険料は高くなります。(次年度以降、無事故であれば割引になっていきますが)
おおよその目安ですが、初年度の保険料は、自家用車の2~3倍程度、月間で12,000円程度になります。
ですので、本気で事業として取り組まないのであれば、むやみに黒ナンバーに変更するのはやめておきましょう。
また、黒ナンバーの任意保険を扱うことのできる損害保険会社も限られています。
東京海上日動、三井住友海上、損保ジャパン、あいおいニッセイ同和損保、楽天損保、AIG損保となります。
比較的格安の保険会社である通販型のソニー損保やチューリッヒ等では取り扱っていませんのでご注意を。
黒ナンバーの取得方法
さて、それでは次に、実際に黒ナンバーを取得する方法を順を追って見て行きましょう。
ステップ① 運輸支局(運輸監理部)へ各届書を提出する
まず始めに、黒ナンバー取得には、運輸支局長(運輸監理部長)への届出が必要になります。
この届出書は、営業所を置く都道府県の運輸支局(運輸監理部)へ提出しましょう。
黒ナンバー取得基準(概要)
黒ナンバーの取得にはは、下記の基準があるので、事前に確認しておきましょう。
ただし、特に厳しい審査などはありませんので、自宅で1両、1人からでも全然問題ありません。
■車庫
原則として営業所に併設していることが必要ですが、併設できない場合、営業所から2km以内までとすることができます。
車庫地として使用する土地が、都市計画法などに違反していないことが必要です。
また、車両を全て収容できる広さがある土地の所有、借入の別は問いませんが、借入の場合は賃貸借契約又は使用承諾により土地の使用が確実なことが必要です。
■車両数
事業に使用する車両は1両から始めることができます。
事業に使用する車両は、車検証上の用途欄が「貨物」となっている軽貨物自動車であること。
2輪車の場合は排気量125㏄以上であること。
■その他
運行管理体制を定め、車両の自賠責保険・任意保険の加入が必要です。
必要な提出書類
運輸支局(運輸管理部)への届出には下記の書類が必要になります。
手続きがスムーズに行えるように、事前に作成しておくことをおススメします。
①貨物軽自動車運送事業経営届出書
②運賃料金設定届出書
③運賃料金表
④事業用自動車連絡書
⑤車検証の写し
個人的には、下記のリンクの大阪運輸支局の例が、記入見本もあってとてもわかりやすかったので参考に作成してみてください。
ほとんどが車検証の内容を見れば、記載できるものばかりなので、安心してください。
※各運輸支局でも様式は置いてあります。
①~③については正本・控えの2部提出が必要です。(控えはコピーでOKです)
③の運賃料金表はサンプルを参考に作成とのことですが、ボクの場合はサンプルのコピーでそのまま提出しました。笑
特に料金のことに対して追求されることもないので大丈夫ですよ。
運輸支局は国の機関(役所)ですので、受付は平日のみで、受付時間も16時までなどと決まっているので、詳細については各運輸支局にお問い合わせ下さい。
ボクの場合は、仕事の昼休み中に書類を作成して、13時の受付開始で提出しました。
担当の方に書類をチェックしていただき、ものの10分程度で無事受理していただきました。
ステップ② 管轄の軽自動車検査協会で黒ナンバーを交付してもらう
ステップ①が完了すると、事業用自動車連絡書に運輸支局の受理印を押してもらえます。
次はそれを持って、営業所地域管轄の軽自動車検査協会で実際に黒ナンバーの交付をしてもらいにいきます。
こちらでは、現在の黄色ナンバーから黒ナンバーに変更という手続きをとります。
申請書類の提出もここでもありましたが、現地で配布されたものに、記入見本を参考に記入するだけなので、特に難しくはありませんでした。
今ついている黄色ナンバーを返納して、黒ナンバーに付け替える必要がありますので、ドライバーなどナンバープレートを外す工具があればベストです。
ボクの場合、何も考えずに行ったので工具も何もなかったのですが、検査協会の方に工具の貸出しもして頂けましたよ。笑
申請自体はそんなに難しい内容ではないのですが、こちらの検査協会は、平日でも自動車の販売業者や、修理業者などがたくさん手続きにこられているので、申請書類の処理待ち時間に1時間くらいを要しました。
最後にナンバープレート代として1,480円を支払い、すべての手続きが終了。
これで晴れて、軽貨物ドライバーの仲間入りができました!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
黒ナンバーの取得は、最初は難しそうに感じますが、実際やってみると結構スムーズにとれてしまいます。
しかも費用はナンバープレート代だけなので、ボクの場合は1,480円のみですみました。
もう一度、今回の記事をおさらいしておきます。
黒ナンバー取得のポイント
■黒ナンバーは、自宅でひとり、車両1台からでも取得できる。
■黒ナンバーは、自動車税、重量税が優遇される。
■黒ナンバーは、自動車の任意保険料が自家用車に比べて高くなる。
■黒ナンバーは、管轄の運輸支局、軽自動車検査協会で申請、取得できる。
■黒ナンバーは、自分で申請することで、低費用で所得できる。
以上のことから、黒ナンバーは最短2日で取得可能で、いますぐにでも軽貨物ビジネスがスタートできます。
しかも、ひとりで車両1台からでも開業できるので、個人の副業としてもとても始めやすいですよね。
PickGO(ピックゴー)やハコベルカーゴなどの軽貨物のマッチングサービスにパートナー登録する際にも、黒ナンバーの取得が必須条件になりますので、本気で稼ごうと考えている方は、すぐにでも黒ナンバーの申請準備を始めてください。
現在の運送業界は、慢性的な人手(ドライバー)不足。
それと逆行するように、ECの拡大により、増え続ける『物量』にどう対応していくのかということが、今後の大きな課題となっています。
そこを大きなビジネスチャンスとして捉え、ぜひ一人でも多くの方に、軽貨物配送にチャレンジして頂けることを切に願っております。
あなたも一緒に、軽貨物ドライバーで最高の人生を手にいれましょう!
本日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。